春は『肝』の季節と言われています。
『肝』の働きを整える事で、心も体もスムーズに過ごせるようになります。
肝とはなに?肝臓のこと??
東洋医学における『肝』とは西洋医学の肝臓の事でけではなく、 感情や血流、筋肉、目などの働きにも関係する重要な臓腑と考えられています。 とくに春は『肝』の季節とされ、この時期にトラブルが出やすくなります。
肝の主な働き
1、気(エネルギー)の流れをスムーズにする
肝は気の流れを調節し、ストレスを発散しやすくする役割があります。 しかし、春は気温や環境の変化が大きくストレスが溜まりやすいため 肝の働きが悪くなりやすいです。 イライラしやすかったり、怒りっぽくなってしまうのも肝の働きが低下している証拠です。 また、気分の浮き沈みが激しかったり、胸や喉のつかえ感も出たりします。
2、血を貯蔵し、全身に巡らせる
肝は血液を蓄え、必要に応じて全身に供給します。 春は陽気が上昇することで血液が顔や頭に集まりやすくなり 結果として上半身は充血しやすく下半身は冷えやすくなります。 血流が乱れやすくなり、特に女性の体調に影響を与えます。 月経不順や生理痛、PMSがひどくなる。 貧血気味、めまい、立ち眩み、目の充血、乾燥、かすみ目などの症状もよく見られます。
3、筋肉や靭帯の健康を保つ
肝は筋肉や腱(じん帯)の動きをスムーズにする働きがあります。 気温差やストレスで血流が悪くなると、筋肉がこわばりやすくなります。 春になると足がつりやすかったり、肩こり腰痛が悪化しやすかったりします。
4、目と深い関係がある
東洋医学では「肝は目に開竅(かいきょう)する」といわれ、目の健康と肝の働きは密接に関係しています。 目の疲れやかすみ、乾燥、まぶたのピクピク(眼瞼ミオキミア)、 目の充血やかゆみ(花粉症の影響もあり)といった症状がおこりやすくなります。
肝の不調を改善するには??
1、ストレスを溜めない
深呼吸やストレッチで気の巡りをよくしたり 熱すぎない温度のお湯にゆっくり浸かりましょう。 またハーブティーで気持ちを落ち着かせることもおススメです。
2、血を補い、巡らせる食事をとる
おすすめ食材 血を補う→レバー、ほうれん草、黒ごま、なつめ、クコの実 巡りをよくする→柑橘類、ネギ、生姜、シソ
3、目を休ませる
長時間のスマホ・PC使用を避けたり、 目のツボ(攅竹、太陽、風池)を優しくマッサージするといいです。
4、鍼灸で整える
鍼やお灸を用いて養生するのもおススメです。 おすすめのツボ 太衝(たいしょう):肝の気を整え、イライラを鎮める 三陰交(さんいんこう):血の巡りを良くし、生理痛や冷えを改善 百会(ひゃくえ):ストレスを和らげ、自律神経を整える
鍼灸やセルフケアを取り入れながら、無理せず養生していきたいですね!