仙腸関節の可動性は非常に限られており、通常 1~3mm程度の微細な動き しかありません。また、回旋の動きも 1~2°程度 とごくごくわずかです。
🔹 仙腸関節の可動性が限られている理由
- 強力な靭帯による固定
- 仙腸関節は骨盤の安定性を保つために、強靭な靭帯(仙腸靭帯、仙棘靭帯など)でしっかりと補強されています。
- 体重の負荷を受ける構造
- 仙腸関節は上半身の体重を支える重要な関節であり、大きな動きがあると安定性が損なわれるため、可動性が制限されています。
- 関節面の凹凸構造
- 仙骨と腸骨の関節面は平面関節といって不規則な形状をしており、互いにかみ合うことで過剰な動きを防いでいます。
🔹 仙腸関節のわずかな動きの役割
- 出産時の骨盤の拡張
女性の場合、妊娠・出産時にリラキシンというホルモンが分泌され、仙腸関節の可動性が大きくなります。この1~3ミリ稼働することで骨盤が拡がります。
🔹 仙腸関節の機能障害
可動性が 低下しすぎても(仙腸関節機能不全)、過剰になっても(仙腸関節不安定症)、腰痛や骨盤の不調の原因となります。そのため、適度な可動性を保つことが重要です。要するに、生活の中で可動しなければいけない時に動かず、可動してはいけない時に動いてしまうことでエラーが起こり身体全体不調や痛みにつながってくることが多くです。
産後のママさんで不調を訴えるのが「骨盤がグラグラする。」「骨盤が痛くて寝返るのも痛い。」というのは可動が過剰になっている状態になります。
🔸 治療アプローチ
- 可動性が低下している場合:骨盤矯正、ストレッチ、筋膜リリース
- 過剰な可動性がある場合:骨盤矯正、骨盤ベルト、体幹トレーニングで安定性を強化
仙腸関節の可動性が微細であることを理解しつつ、必要に応じたケアを行うことが大切です!