【産後の症例報告②】
腱鞘炎来院されたのは産後2ヶ月で初めてのお子さんとのことでした。
妊娠中〜産後にかけて、お母さんの体は大きく変化し、
日々、授乳したり、あやしたり、寝かしつけたり、抱っこしたりと
お母さんの身体は沢山の負担がかかりストレスを抱え込みます。
⚫︎30代 女性(産後2ヶ月)
専業主婦
●主訴
右母指〜手首の痛み
髪を洗ったり、子供を抱き上げるとき
蓋をあけるときなでの日常生活動作で、毎日、強い痛み母指の伸展動作の制限が強くでている
⚫︎施術者の見解
フィンケルシュタインテスト陽性
腱鞘炎の症状が強くでていることが確認できた。
母指の伸展・外転での痛みが強く日常生活動作での強い痛みがでていることを確認。
前腕の筋緊張が強く、右肩甲骨の可動域制限があり。
母指の伸展可動域は痛みの出ていない左の半分ほど。
⚫︎治療計画
育児や家事などの日常生活での使用頻度が高く、赤ちゃんの抱っこで痛みを我慢しながら使用している状況の為、
まずは痛みの出にくい使い方を指導。
前腕の筋緊張を緩和するだけでは、使用頻度が高い為、改善が難しいと考え同時に肩甲骨の動きを改善するよう施術を計画。
⚫︎治療開始《1回目》
まず、マッサージにて前腕〜肩甲帯の筋肉の緊張を軽減させる施術を行い、
動作指導・抱き上げる際の力の抜き方や背中の筋肉からの力を指に伝えられるよう
脇をできる限り締めた状態での動作指導を行った。
《2回目(3日後に来院)》
母指の伸展可動域が拡大してきた
痛みは続いており、日常生活動作での痛みもある
前回同様に施術を行いながら肩甲骨の可動域を拡げる施術も合わせて行った。
三頭筋や大円筋の緊張も強いため、腕を大きく動かしながら肩のストレッチの入念に行う。
セルフでの三頭筋のストレッチをお伝えし終了。
《3回目(3日後に来院)》
痛みが軽減。伸展可動域は左に比べ2/3まで回復してきた。
大きい蓋のものをあける動作などでの痛みはまだあるが、
髪を洗う動作での痛みはでなくなった。
ストレッチも入念に自宅でやってもらい柔軟性もUPしてきた。
《4回目(3日後に来院)》
痛みが出ないこともあるようになり、頻度が減少。
日常生活もスムーズに行えるようになってきたとのこと。
引き続き、肩甲骨の癒着をはがしながら腱鞘炎の施術を続ける。
肩のストレッチにて肩周りの柔軟性がUPしよく腕も回るようになってきた。
3分ほどの腕のストレッチと肩甲骨のエクササイズを自宅でも継続中。
《5回目(5日後に来院)》
まだ母指の伸展可動域は完璧ではないが、痛みはたまに出るほどにまで解消された。
毎日の授乳や抱っこ動作にて巻き肩ぎみなため
姿勢改善と再発予防を目的にしながらメンテナンス通院を7日に1回ほど継続している。